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パネルディスカッション ~骨粗しょう症を学ぼう~

まずは検査を受けて骨の状態を確認、骨粗しょう症と判明したら医療機関に相談
骨折を予防していつまでも自分の足で歩き続けられる生活を

平澤彰子先生 北水会記念病院 古俣正人先生 水戸中央病院/小美玉市医療センター

高齢化が進む日本

司会
昨年発表された日本人の平均寿命は男女共に80歳を超えましたね。
古俣
平均寿命が延びたのに伴い、介護を受ける期間も延びています。平均寿命に比べて、介護を受けずに自立した生活ができる健康寿命は男性で約9年、女性で約12年短くなっています。介護をする側もされる側も肉体的、精神的、経済的負担となりますので、この期間を短縮することが大切です。
平澤
運動器に障害が起きてしまうと体はうまく動かなくなってしまうので、元気な生活を送るためには運動器を健康に保つ、特に体を支える骨を丈夫に保つことは必要です。介護が必要となる一番の原因は運動器障害で、その中でも骨折・転倒が多く、その骨折には骨粗しょう症が関連しています。

骨粗しょう症の原因は?

司会
年を重ねるとかかる病気というイメージがあるのですが、
骨粗しょう症になる原因にはどのようなものが挙げられますか。
平澤

加齢の他にも女性の場合は閉経による女性ホルモンの減少、ダイエットによる栄養不良などがあります。骨は皮膚と一緒で毎日新陳代謝し、古い骨が壊される骨吸収と新しい骨が作られる骨形成を繰り返すことで日々作り替えられています。

骨量は20歳位でピークとなり、50歳頃から減少します、女性は閉経後、女性ホルモンの減少に伴って骨量が急激に減少し、骨粗しょう症が進みます。

また骨粗しょう症になりやすい原因として最近注目されているのは糖尿病、高血圧、腎臓病などの生活習慣病です。

骨粗しょう症で気を付けることは?

司会
身近な病気が骨粗しょう症を引き起こすことを伺い、驚きです。
骨粗しょう症になったらどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。
古俣

心がけたいのは、骨折を予防することです。骨粗しょう症の方は、1度の骨折が次の骨折を引き起こしやすくなるので注意が必要です。骨密度が下がり始めた頃から骨折率が高まります。

50、60代は転びそうになって支えようと手を出した時に手首を折ったり、70代になると尻餅をついて脚の付け根を骨折することが多いです。

特に問題となる骨折は背骨(椎体)の骨折と脚の付け根(大腿骨)の骨折です。背骨の骨折は圧迫骨折ともいわれ、転倒などのきっかけがなくても自分の体重でいつのまにか骨折を起こしていることもあります。内臓を圧迫することで、寿命も縮めるといわれていますので、身長が若い頃より2センチ以上縮んだ時には、医療機関を受診することをお勧めします。

また脚の骨折は入院、手術が必要となり、麻酔も必要となりますので身体に負担がかかります。また、脚の血流が悪くなることなどから静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群やロングフライト症候群といわれることも)という命にも関わりかねない合併症も起こしかねません。

まずは、転ばない、転んでも折れない骨を作ることが大切です。

骨折を予防するためにも、まずは骨粗しょう症の検査を

平澤

骨粗しょう症患者は約1300万人、人口の10%程と言われていますが、治療をしている人はほんの2~3割で、その理由としては症状がないため気づかないということが挙げられます。

骨折して初めて見つかる、または他の病気で医療機関にかかったときに見つかることが多いのです。

骨折してからでは遅いので、40歳を過ぎたら一度は骨粗しょう症の検査を受けて頂きたいと思います。骨密度検査方法で有用なものはデキサ検査法と呼ばれる検査です。寝た姿勢で腰と脚のつけ根を測定するものと座った状態で手首を測定するものがあります。この検査は骨粗しょう症の診断にも利用できます。

骨粗鬆症を治療する時には骨代謝マーカー検査という血液検査もあります。この検査は治療薬を選ぶとき、治療薬の効果を判定する時に実施します。先生は骨密度、骨代謝マーカーを見ながら患者さんにあった治療薬を選択していきます。

近年治療薬も沢山の種類が出てきています。骨が溶けるのを抑える薬、骨をつくる薬、消化管からカルシウムの吸収を助ける薬などがあります。骨粗しょう症と診断されたら、先生と相談しながら、一番適した治療薬で治療を続けることが重要です。

司会

骨折してからでは遅い。40歳を過ぎたら一度検査を受けることが大切で、骨粗しょう症と診断されたら薬で治療をすることが必要なのですね。

ありがとうございました。